【めっき】と聞いたとき、みなさんはどのような表記を思い浮かべるでしょうか?
某検索エンジンでこの言葉を調べると、「メッキ」という表記が一番多いようです。
メッキ・・・約 236,000,000 件
めっき・・・約 17,500,000 件
鍍金 ・・・約 17,700,000 件
これは目安ではありますが、私たちも「めっき」、「メッキ」、「鍍金」と、複数の表記を使う事があります。
今回の記事では【めっき】の表記のルーツを紐解くため、【めっき】の歴史についてご紹介したいと思います。
【めっき】の歴史は長く、日本でも千年以上前から、奈良・東大寺の大仏などを金色にするために使用され、この頃は金を塗る=塗金(トキン)と呼ばれていました。
この頃に使用されていた手法は、現在で言う「アマルガム法」と呼ばれもので、水銀と金を混合した液体をを塗って、加熱することで、対象物の表面に金を付着させる方法が取られていました。大仏にこの塗金を完了するのにはなんと、5年もかかったそうです。
この液体は、加熱すると金になりますが、液体のときは、化学反応により、金色が消え、液体は水銀の銀色のみになっています。
この現象をもとに「金色が消える」、転じて「滅金(めっき)」と呼ばれ、いまの「鍍金」という表記へ変化してきたと言われています。
金色にするために、金が滅された液体を使うという言葉が語源というのは面白いですね。
さて、ではこの「鍍金」が正しい表記方法かというと・・・実はそうとも言えないのです。
国の定めた常用漢字表には、「鍍」という字は記載されていませんし、「金」という字も「き」という読み方を認めていないのです。
そのため実は平仮名の「めっき」という表記が推奨されるようになったのですが、読みやすさなどの観点からこの平仮名表記での「めっき」はあまり定着せず、片仮名表記での「メッキ」という表記が定着してきました。
つまり、もっともベーシックな表記は【めっき】となるのですが、その言葉の響きからでしょうか、カタカナの「メッキ」が最も多く利用されているようですね。
ちなみに、わたしたちでも、表記がもっとも多いのが「メッキ」ですが、用途や手法に合わせて使い分けています。